匂いの種類のはなし

東洋医学と陰陽五行

匂いの種類と分類

 お香の世界では、香りの種類を味覚に例えて、甘・酸・辛・苦・鹹(しおからい)の「五味」で表現することがあります。この他にも、香りや匂いの表現の一つに、香りや匂いを5つに分類した「五臭(五香)」というものがあります。

五臭(五香)

  • 「羶(くさし)」=脂くさい
  • 「腥(なまぐさし)」=生ぐさい
  • 「香(こうばし)」=香ばしい
  • 「焦(こがれぐさし)」=焦げくさい
  • 「朽(くちくさし)」=腐敗くさい

 秦の始皇帝の時代(紀元前239年)に完成したとされる中国の「呂氏春秋」に五臭(五香)に関する表記が出てきます。また、日本においても、江戸時代に養生訓を記したことでも知られる本草学者・儒学者の貝原益軒(1630-1714)が、「大和本草」という著書の中で五臭(五香)について記載しています。(大和本草 巻之二 薬用論)

 ちなみにこれらは、東洋医学や陰陽五行に通じており、肝・心・脾・肺・腎の調子が悪くなると、それが体臭や口臭に現れるとされています。東洋医学における肝・心・脾・肺・腎は、西洋医学の肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓とは意味合いが異なる点について注意が必要ですが、それぞれ以下のとおりです。

体臭や口臭が・・・

  • 「羶」(木性)、脂くさくなると「肝」(木性)の調子が悪い
  • 「腥」(火性)、生ぐさくなると「心」(火性)の調子が悪い
  • 「香」(土性)、香ばしくなると「脾」(土性)の調子が悪い
  • 「焦」(金性)、焦げ臭くなると「肺」(金性)の調子が悪い
  • 「朽」(水性)、腐敗くさくなると「腎」(水性)の調子が悪い

 古来から脈々とこのような考え方が受け継がれてきたこと、平均寿命が35歳といわれていた江戸時代に貝原益軒が84歳という長寿を全うしたことなどを思うと、このような考え方もけっこう理に適っているのではないか、と感じます。

 なお、香りや匂いの分類方法は、他にも数多くあります。有名なものとして、ドイツの心理学者H.ヘニング(1885 – 1946)が提唱した、原臭を6つ(「薬味臭」・「花香」・「果実臭」・「樹脂臭またはバルサム臭」・「焦香」・「腐敗臭」)に分類する方法などがあります。

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