荷心香のはなし

荷心香

荷心香のはなし

 「荷心香」という言葉をご存知ですか?

 何も「かしんこう」という名前のお香やお線香がある訳ではありません。「荷心香」と書いて、「かしんかんばし」と読みます。「荷心(かしん)」とは「蓮の花」のことで、「蓮の花が香気を放っている」という意味を表します。

 「荷心香」は、南朝梁の簡文帝蕭綱(502~557年)の詠んだ「日落荷心香・・・日落ちて荷心香る(暑い夏の夕暮れだが、蓮の花の香気が遠くにいてもさわやかさを感じさせてくれる)」という漢詩の一文に由来すると言われています。

 なお、「荷心香」には「蓮の花が香気を放っている」という意味のほかにも、「何時如何なる時でも自分らしさを失ってはいけない」という特別な意味があります。「蓮」はどんなに泥沼の深いところにあっても、いつか必ず芽を出し、綺麗な花を咲かせ、良い香りを放つからです。

 上記のような意味や言葉自体の美しさから、「荷心香」は書道の世界でもお題として用いられることがあります。また、お茶の世界にも「荷香十里」という「荷心香」と同じ意味合いで使われる言葉があります。

 さて、梅薫堂の「備長炭麗小箱シリーズ」の中に、「蓮」という製品があります。高貴な癒しの香りが、何時如何なる時でも自分らしさを失わないという「蓮」の気高さを連想させることから、そのように銘打っています。

備長炭麗 小箱 蓮

備長炭麗 小箱 蓮

 もし、何かに挫けそうになったとき、自分らしさを失いそうになったときには、「荷心香」のことを思い出しながらこのお香を焚いて、気持ちをリフレッシュしてみるのも良いかもしれません。宜しければ、ぜひともお試しください。

関連記事

ピックアップ情報

唐招提寺

2016.6.7

鑑真和上と空薫物のはなし

鑑真和上と空薫物  奈良時代後期になると、仏に供える香と区別して日常生活のなかでお香を楽しむようになります。やがて平安時代には…

おすすめ情報

ページ上部へ戻る