香木・香料のはなし -甘松-

甘松

甘松

 香木・香料のはなしの第六回目のテーマは「甘松(かんしょう)」です。

 甘松(かんしょう)は、ネパールやブータンなどのヒマラヤ山系、中国の山岳地帯が原産のオミナエシ科の多年生草本です。その根や茎から香料を採ります。

 「新約聖書」では、イエスが十字架に掛けられる前に、マグダラのマリアが高価な石膏の壺に入った「ナルドの香油」をイエスの足に塗り、自分の髪で拭ったとされていますが、この「ナルドの香油」の原料が甘松(スパイクナード、spikenard)であったと言われています。

 ちなみに、イエスの弟子のユダは、彼女のこのような行為は無駄であると批判します。当時、「ナルドの香油」は非常に高価なものであったからです。しかし、自らの死が迫っていることを感じていたイエスは、「彼女は私に良いことをしてくれた。前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれたのだ。世界中どこでも、福音が伝えられる所では、彼女のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」といった言葉を述べ、彼女の捧げた香油を心から喜んだのです。

乳香

甘松

※画像は(株)長川仁三郎商店からご提供いただきました。

 甘松は日本でも、平安時代などに薫物の原料として用いられてきました。香りは、 それだけで嗅ぐとウッディーで少しカビ臭さを感じるような香りであるため、あまり良い香りとは感じないかもしれません。しかしながら、沈香や白檀などと合わせることで、濃厚な甘みを感じさせる香りとなります。また、体内の器官を調整したり、イライラや興奮を抑制するような鎮静作用があると言われています。

関連記事

ピックアップ情報

2016.3.1

~香り七変化~ 匠の調香 友禅 バラ詰 新発売

~香り七変化~ 匠の調香 友禅 バラ詰 多彩で華麗な色彩、絵模様を調和させた友禅染のように、様々な甘い香りの織りなすハーモニ…

おすすめ情報

ページ上部へ戻る